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- [[日本語]]
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* 第Ⅱ部 オフィス環境と生産性
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* [[第7章 設備警察]]
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* [[第8章 プログラムは夜できる]]
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* [[第9章 オフィス投資を節約すると]]
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* [[第10章 頭脳労働時間 対 肉体労働時間]]
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* [[第11章 電話、電話、また電話]]
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* [[第12章 ドアの復権]]
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* [[第13章 オフィス環境進化論]]
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## 第10章 頭脳労働時間 対 肉体労働時間
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表 10.1 作業態勢別の労働時間比率
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|作業態勢|比率|
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|:-:|:-:|
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|1人による作業|30%|
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|2人による作業|50%|
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|3人以上による作業|20%|
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- フロー状態と生産性
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- IBM が調査した一日の平均的な労働時間の比率(表 10.1)
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- 単独作業は少数派だが、**本当の意味での仕事は一人のときにできる**ので無視できない
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- 騒々しいオフィスで、単独作業のプログラマーが**フロー(Flow)状態**になるのは不可能
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- 精神集中を妨げるものはプログラマーの生産性を低下させ、プロジェクトのコストを大幅に引き上げてしまう
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- 例えば表 10.2 の状態
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表 10.2 プログラミングコンテストでの作業内容と作業時間の例
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|作業時間(開始〜終了)|作業内容|作業中断の原因|
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|:-:|:-:|:--|
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|2:13〜2:17|コーディング|電話|
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|2:20〜2:23|コーディング|上司の馬鹿話|
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|2:26〜2:29|コーディング|同僚からの質問|
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|2:31〜2:39|コーディング|電話|
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|2:41〜2:44|コーディング|電話|
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- タイムカードには、頭脳労働時間ではなく肉体労働時間を記入している
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>**机の前に何時間座っていたか**はどうでもいいことで、**全神経を集中して仕事に取り組んだ時間**が重要なのだ
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- ソフトウエア開発に実質的に費やされる時間の算出方法
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- **連続して中断が入らなかった時間数**(精神集中時間)を各人で記録する
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- 給与計算のための肉体労働時間はこれまで通り記録する
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- 二つの御利益
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- フロー時間の重要性に注目を集められる:邪魔の入らない時間が少なくとも2,3時間あって当然だと考えるようになる
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- 本当の意味で仕事に費やされた時間の記録が残る:プロジェクト完成に必要なフロー時間に対する累計フロー時間を肉体労働時間ベースで分析するのは NG
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E係数 = \frac{ \text{ 中断なしの時間数 } } { \text{ 机の前に座っていた時間 } }
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- E係数(環境係数)
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- E 係数を毎日測定することは、プログラマーにはある程度の中断なし時間が必要だという考え方を公式に認めること
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- E 係数を前面に押し出すことで、仕事を中断させないように配慮する方向に企業文化を変えられる
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→ 中断なし時間を記録する企業文化は、プログラマーが実質的な仕事に取り組む時間を確保するのに役立つ |
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