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- [[日本語]]
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- 第Ⅳ部 生産性の高いチームを育てる
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- [[第21章 全体は部分の和より大なり]]
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- [[第22章 ブラックチームの伝説]]
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- [[第23章 チーム殺し、7つの秘訣]]
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- [[第24章 続、チーム殺し]]
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- [[第25章 競争]]
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- [[第26章 スパゲティーディナーの効果]]
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- [[第27章 裃を脱ぐ]]
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- [[第28章 チーム形成の不思議な化学反応]]
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## 第28章 チーム形成の不思議な化学反応(pp.192-199)
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- **化学反応**(*chemistry*)
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- 固く結束したチームを形成する組織では化学反応が作用している
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- それは優れた個人能力、信頼関係、お互いの人格の尊重、良い人間関係といったものが絶妙に混じり合ったもの
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- マネージャーは健全な化学反応を生み出し、維持しようとする
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- 健全な会社にする化学反応を生み出す要素
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>・品質至上主義を作り出す
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>・満足感を与える打ち上げをたくさん用意する
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>・エリート感覚を醸成する
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>・チームに異分子を混ぜることを奨励する
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>・成功しているチームを守り、維持する
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>・戦術でなく戦略を与える
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### 品質至上主義
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- いい加減な製品を納入することからは、仲間と共に味わう満足感によってチームを一体化させる力は生まれない
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- 品質至上主義は世間一般からチームを際立った存在にする
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>市場も消費者も顧客も上級マネージャーも、品質至上主義を擁護しようとはしない。品質を際立って高くしても、短期的に経済的に引き合わないのだ。しかし、チームメンバーが品質至上主義の気風を育むと、いつも市場が求めている以上の品質を備えた製品を生み出すようになる。
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### 満足感を与える打ち上げ
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- 拍子木
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- 閉合(closure):「自分が正しい方向に歩んでいることを常に確認し、安心感を得たい」という心理的欲求
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- ある区切りごとに満足感を与える「拍子木の音」のようなもの
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- 拍子木のタイミング
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- 企業の立場では4年間の仕事なら4年間の末で十分と考えるが、4年間拍子木を全く鳴らさない仕事ではメンバーが次々と辞めていく
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- チームのメンバーは共に成功してそれを喜ぶ癖をつけることが必要
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- 化学反応の醸成がうまいマネージャーは、一つひとつ達成感を味わえるように仕事を分割している
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→ なんと原文に「打ち上げ」という表現はない。原文では「終結」をも意味する "closure” という単語がそのまま使われている。おそらく訳者は「閉合」という聞き馴染みのない言葉の代わりに「打ち上げ」を使おうとしたのかもしれないが、むしろパーティーのようなイメージを伴ってしまって誤読を誘っている気がする。
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>その安心感は、心理学者が閉合(closure)と呼ぶ心理的欲求からきている。
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>*Such reassurance comes from what psychologists call closure.*
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>閉合とは、全体を落ち着くべきところに落ち着かせるために、ある区切りごとに満足感を与える「拍子木の音」のようなものである。
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>*Closure is the satisfying "thunk" of pieces of the whole falling into place.*
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>会社にも、仕事を区切る打ち上げという拍子木の音が必要である。
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>*Organizations also have some need for closure.*
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→ 物事の区切りをつける、というニュアンスに沿うなら訳語としては「締め」が適切だったのではないだろうか。仕事は飲み会のように楽しく、ときどき一本「締め」をするというなら原文の雰囲気にマッチしそう。
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### エリートチーム
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- チームはある面で個性を持つ必要があり、その個性が認められていればメンバーは結束できる
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- 品質意識が個性的に高い
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- 生産性が個性的に高い
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- 納期を守る能力が個性的に高い
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- 結束したチームの本質的な要素は、エリート意識が形作るチームのアイデンティティ
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- 成功に向かって進んでいるチームはマネージャーの統制力を脅威にさらすが、優れたマネージャーは部下をコントロールできるものではないということがわかっている
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→ チームが会社の画一的な標準からはみ出していても、マネジメントしていないことにはならない
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### 解散させない
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- ヤンキースが解散しないのと同じ
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- チームが一致団結したら、新しいプロジェクトもそのチームで始めるなどの選択肢を与えなければならない
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### ネットワークモデル
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- マネージャーは通常チームの一員にはならない
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- チームは階層構造ではなくネットワーク構造であり、最も優れたチームでは各人が力を発揮できる分野で時に応じてリーダーシップを発揮する
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### 異分子
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- **チーム**の概念はスポーツの影響を受けるので、チームに対して類似性を期待して無意識にあてはめてしまう
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- スポーツチームのメンバーは全員が似通ってしまうが開発チームは似通っている必要はないし、異質な人が少し混ざっていた方が結束したチームを作るのに効果的
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- 異質な人は、「クローンのような人間でなくてもいいんだ、型にはまったプラスチック人間のように、会社の型にはまっていなくてもいいいんだ」ということを象徴的に示している
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>毎回うまくいくとはかぎらないが、チームが一体化すると、投入した手間・ヒマ・金は十分に見合う。仕事は面白くなり、メンバーは精力的になる。納期や工程を死守し、もっとやることはないかと探し出す。自分に誇りを持つ。そして、チームと、チームの存在を認める周りの人々に対して誠意を尽くすのだ。 |