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- [[第Ⅰ部 人材を活用する]]
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* [[第1章 今日もどこかでトラブルが]]
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* [[第2章 チーズバーガーの生産販売マニュアル]]
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* [[第3章 ウィーンはきみを待っている]]
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* [[第4章 品質第一……時間さえ許せば]]
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* [[第5章 パーキンソンの法則の改訂]]
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* [[第6章 ガンによく効く?「ラエトライル」]]
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## 第6章 ガンによく効く?「ラエトライル」(pp.33-38)
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- ラエトライル
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- ラエトライル:アンズの種から採れる液体で、病気に効く証拠が無いのに法外な値段で売られている
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- 筆者は生産性を向上するために企業文化の改善が重要だと考えているが、難しい
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- マネージャーが技術的ラエトライルのカモになっているうちは、健全な企業文化を作る努力をしない
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### マネージャーが陥りやすい7つの錯覚と反論
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1\. 生産性を飛躍的に向上させる方法があるはずなのに、今までずっと見落としてきた
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**反論**:そんな基本的なものを見逃すほど馬鹿じゃない
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2\. 他のマネージャーは2倍も3倍も成果を上げている
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**反論**:気にするな、ソフトウエア開発はやることが一杯あることには変わりがない
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3\. 技術は日進月歩で、油断するとすぐ置いていかれる
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**反論**:コンピューターは進歩したが、ソフトウエア開発は従来のまま(ハイテクの幻影)
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4\. プログラミング言語を変えれば、生産性は大幅に上がる
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**反論**:コーディング工程にしか影響を与えないし、5%は上昇するかもしれないが、それ以上にはならない
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5\. バックログが多いから、すぐにでも生産性を2倍にする必要がある
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バックログ=積み残し作業のこと 参考:[バックログとは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典](https://wa3.i-3-i.info/word15299.html)
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**反論**:プロジェクト完成時のコストが当初予算を上回るのは常識。
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6\. 何もかも自動化してしまおう。そうすれば、ソフトウエア開発者がいらなくなるのではないか?
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**反論**:ハイテクの幻影の一つで、ソフトウエア開発者の仕事は人と人とのコミュニケーションであり、自動化できるはずがない
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7\. 部下に大きなプレッシャーをかければ、もっと働くようになる
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**反論**:やる気を無くすだけ
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- さんざん否定的なことを並べたが、マネージャーは何をすればいいのか?
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- 人を働かせるのではなく、人を働く気にさせること
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[^1]: Tajima and Matsubara, 1984.:Tajima, D., and T. Matsubara. "Inside the Japanese Software Industry." Computer, Vol.17(March 1984).
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[^2]: Crosby, 1979.:Crosby, Philip B. Quality Is Free: The Art of Making Quality Certain, New York: Harper & Row, 1970. 邦訳 小林宏治監訳、『クオリティ・マネジメント――よい品質をタダで手にいれる法』、日本能率協会、1980年 |